新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、薬局で働いているものとしては、少しでも感染の不安を軽減したいものです。米国薬剤師会のサイトに薬局スタッフを守るためのポイントが簡潔にまとめられていたので紹介します。
1.処方せん受付とリフィル
- 紙の処方箋を扱うことを避けるため、処方医と患者に電子的・遠隔で処方箋を送るよう伝える
- 患者が使用した薬の容器を受け取らない・扱わない
- 薬局での待ち時間が長くなることを避けるためリフィル処方の電話連絡をするよう患者に促す
- 来局による暴露を最小限にするため、患者に多めの量の薬を持っておくように伝える
2. 支払い・受け渡し
- 現金・クレジットカードなどの支払いに係るすべてのスタッフはグローブを着用する
- 暗証番号入力を避けるためさけるため、患者・介護者にデビットカードでなくクレジットカードを使用するように依頼する
- 患者ごとにクレジットカードの決済端末を清潔にする
- 公的保険のサービスセンターによりPartDプランの署名要件が延期されたため、患者のサインは不要である
- ドライブスルー、配達、置き配を最大限活用する
- 配達員はグローブを着用し、患者宅には入らない
3. スタッフの確認事項
- こまめに20秒間の手洗いを実施し、アルコールを70%以上含む手指消毒を使用する
- 予防接種を行う薬剤師は接種する際に個人用防護具を着用する(新型コロナウイルス流行時には重篤な二次感染リスクが高まるため、インフルエンザワクチンおよび肺炎球菌ワクチンの接種が強く推奨されている)
- 薬局勤務時にはソーシャルディスタンスを確保する
- ウイルスに効果のある消毒剤で物品・設備の表面を定期的に清潔にする
4. 薬局管理者の確認事項
- 会計レジの防御版のような患者とスタッフの間に物理的な仕切りを設置する。(例:アクリル板、透明カーテン)個人防護具の不足もあり、米国疾病予防管理センター(CDC)も物理的遮断による管理を推奨している。
- 調剤以外の小売り営業を続ける必要がある場合、会計カウンター前にソーシャルディスタンスを確保するため、約2メートルずつ並べるようにする。床にテープなどを貼り、安全な距離がわかるようにする。
- 清掃・消毒ができない箇所(物品設備の業面)を増やさないために、すべての椅子を撤去することを検討する。
- ソーシャルディスタンスを確保するため、一度に入店できる人数を10人以下に制限する。(薬局スタッフも含む)
- 個人情報保護規定を順守する。緊急時であっても個人情報保護規定は除外されない。
日々、患者さんを守るために働いている薬局スタッフが、少しでも安心して働けますように。
出典:米国薬剤師会ホームページ https://www.pharmacist.com/coronavirus/practice-resources