毎月第一週目は、陽性者のミーティング。
いつも、トロトロ(乗り合いミニバス)を終点で降りて歩いて会場に向かう私は、車の中でボーっとしていると、
「おい!中国人!ここで降りろ!」とメイツ(車掌?)に言われ、訳がわからない顔をしていると、車の外から誰かが呼んでいる。
それはメンバーの一人でした。
私たち外国人ボランティアがエイズ対策の活動をしているのは周知の事実なので、外国人ボランティアと一緒にいると、周りの人にHIV感染者だと疑われる、ということを理由に、外では私たちを避けるという話を他のボランティアから聞いたことがありますが、私の郡の陽性者たちは、道端でも普通に挨拶をしてくれ、世間話もします。彼らの明るい笑顔と優しさに私のほうがいつも元気付けられています。
この日も、「こっちの方が近道だから!」と、私に教えてくれたのでした。
そして、二人で道なのかなんなのか良くわからない草むらを突っ切り、会場へ。
多くの国でHIVの治療薬は無料化されていますが、ガーナでは、HIVの治療薬は有料です。
健康保険に加入するのに14ドル、毎月の治療費が5ドル。陽性者であってもなくても、収入源の限られている人たちにとっては決して安い額ではありません。
しかしながら、陽性者グループに参加したり、手続きをすることで、政府から食料や治療費の援助を受けることも可能です。
でもやっぱりお金がからむとトラブルが発生することも。
陽性者になりすまして、援助を受けようとする人がいたり、陽性者グループのリーダーがメンバーへの支給分をだましとったり。。。
でもその背景にも、
陽性者以外にも深刻な貧困に直面している人たちもいるし、
陽性者で出産後、母乳はこどもへの感染の可能性があるから、粉ミルクが必要になるけど、
粉ミルクは高価で買えないから・・・
など、もちろんお金をだましとることはよくないのだけれど、なんともやりきれない理由があったります。
ミーティングの最後の食料配給の時間、私に近道を教えてくれた子が泣いていた。
何で泣いているのか、私にはよくわからなかったけど、どうやら具合があまりよくなかったみたいだ。
私が何を聞いても基本的にYESしかいわない。
彼女は英語があまりわからないみたいだった。
ガーナにきて一年になるけれど、未だに現地語があまり話せない私は、自分の無力さを感じるとともに、それでも自分にできることはないか、模索中です。