Yoko's Diary
ひとりひとりが豊かに暮らせる世界を夢見る旅人薬剤師のひとりごと。
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底上げか、リーダー育成か

めったに医療機関にかからない私ですが
年に1回くらいお世話になることもあります
ちょうど1年ほど前に
薬剤性アレルギーで病院にかかっていた頃(→詳細はこちら
いわゆる門前薬局に行きました
「某大学付属の薬局で、実務実習にも力を入れている最新の薬局」
と聞いていたので
ワクワクして(?)薬を受け取りに行きました
ところが・・・
その薬局に行ったのは初めてでしたが、問診票はありませんでした
当然、お薬手帳には
アレルギーの原因となった薬をちゃーんと書いておきましたが
担当した薬剤師がそれを確認することはありませんでした
そして今回の受診の経緯を聞かれることもなく
「前に同じ系統の薬が出ているようなので、
今回の薬とは一緒に飲まないように」
とだけ言われました
また、つい先日
街中のチェーン薬局に行く機会がありました
番号を呼ばれてカウンターへ行くと
明らかに慣れない手つきの中年の薬剤師が
緊張した様子で話始めました
「この薬は1日何回~~~です」
と一生懸命説明しましたが、間違っていました
一応間違いを指摘しましたが、その方は謝るわけでもなく
「え?」
と驚いた様子で
「何かあったら医師に連絡してください」
とだけ言って薬をくれました
たぶん、キャリアにブランクがあるか何かで、
久しぶりの投薬だったのではないかと思います
これが現実か、と悲しい気持ちになりましたが
悲しみに浸っていてもしょうがないので、
できることから1つずつやっていこうと思わされたできごとでした
学生の頃、薬学生の団体を運営していたのですが
そのときから現在に至るまで
いつも議論になるのが
「薬学生(薬剤師)の底上げを目指すべきか、リーダーを育成すべきか」
というテーマ
いろんな考えがあるし、
リーダーシップを執れる人材の不足も深刻であり、
どちらも大切ではありますが、
私の答えはいつだって決まっています
先に述べたようなケースが
私だったからよかったものの
これが一般の患者さんへの対応だとしたら
患者さんに好ましくない影響が出る可能性がありますよね
素晴らしい薬剤師がたくさんいることは、もちろんよく知っています
でも、どんなに素晴らしい薬剤師がたくさんいても
そうでない薬剤師が1人でもいたら…?

患者にとっては
その日、担当した薬剤師がすべてなんです
薬剤師も他の医療専門職もは独り勝ちではダメなんです
団体の後輩の学生から
「底上げか、リーダー育成か」と聞かれたときは
「一部の優秀な薬剤師以外が担当する患者さんが
あなたの大切な人だとしたらどう思いますか?」
と答えています