私がまだ、国際薬学生連盟で活動していたころ、
世界保健デー(4月7日)のテーマが「交通安全」の年がありました。
http://www.who.int/world-health-day/previous/2004/en/
そして、一年を通して、各国で、健康に関するキャンペーンを行っていた私たちはもちろんその年も、テーマと薬剤師の役割に関して、ポスターを作成して掲示したり、パンフレットを配ったり、イベントを開催したりしていました。
はじめ、「交通安全と薬剤師の役割」
といわれてもピンと来ませんでした。
しかし、各国の薬学生と活動について話し合う中で、
ある種の薬は副作用で眠気がでることから、車の運転や機会操作、高所作業をする人に対して適切な服薬指導が必要であること
また、飲酒運転の防止などに関しても薬剤師が関われるであろう、という意見がでました。
このたび、栃木県で、小学生の列に重機が突っ込み6名の児童が亡くなるという痛ましい事件がありました。
事件発生当初から数百メートルの道のりで居眠りをするのは非常に不自然であると感じていました。人によっては、突然失神する体質・疾患を持っている方もいるので、そのような持病がある人ではないか、と思っていました。
そして、明らかになった事実としては、てんかんの持病があったこと。
また前夜に薬を飲み忘れ、当日の朝服用していたことがわかりました。
薬、または疾患と事件の直接の因果関係はまだ不明ですが、
このように、薬や疾患が、自分の命だけでなく、他人の命を奪う原因になるということも視野に入れて、薬剤師は、人々に対して適切な情報提供や指導を行わなければならないと、改めて感じさせられる事件でした。
被害にあわれた方々には心よりご冥福をお祈りします。