Yoko's Diary
ひとりひとりが豊かに暮らせる世界を夢見る旅人薬剤師のひとりごと。
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将来大切な人ができたとき


先週、また中学校でHIVの授業をしてきました!

今回の対象は中学校2年生

JICAの技術プロジェクトの対象地域であること、そして中学生なので小学生より英語が理解できること。

これらの理由から、前回よりスムーズにインタラクティブなセッションとなりました。

プロジェクトの影響から、HIVに関する基礎知識は大体の子が持っていて、
どのような行為はリスクが高いか、ということも知っていました。
でも、「どうしてか?」と理由を聞くと、ほとんどの子が説明できないこともわかりました。

「一緒に食事をするのはリスクがほとんどない。」ということを丸暗記のように覚えてるので、
「じゃあ、一緒に食べてる人が出血してたら?」という質問にたどり着いてしまう。

だから、まず、感染の可能性のある体液と感染経路について、もう一度知識を整理して、
HIVの特性について確認しあいました。

その結果知識がより確実で現実的なものとなったようです。

また、プロジェクトで強調されていない、母子感染についての知識は著しく乏しいことにも気付きました。
なので、母子感染の仕組みと可能性、そして予防できることを伝えました。

しかしながら、あんなに、「HIVに感染しても、検査するまではわからないんだよ」って言っても、
「HIVに感染しているかどうか知るにはどうしたらいいか?」という質問に、
「HIVに感染したら、やせて、弱ってくる」
と、HIV感染=AIDSだと、強いイメージがあることもわかりました。
実際、使用している教科書のAIDSの項目には、AIDS患者としてやせ細って、うつろな表情の挿絵があり、こうようなことがイメージを植えつけているのかなと思います。

ガーナでは、基本的に中学生の年代にはコンドーム使用よりも、Abstinence(セックスをしない。セックス開始年齢を遅らせる)を推奨する傾向にあります。

それにのっとって、私も、中学校で講義する際、いきなりコンドームについて詳しく話をしたりはしないで、
どうやってセックスにNOと言うか、どうしてそれが重要か、どのようにそのような状況を回避するか、説明するようにしています。

しかし、これもまたうまく説明しないと、想像力豊かな若い世代の子供達はいろんなことを考えるので、かえって混乱を招くこともあるようです。
ある生徒さんに、

「今の自分たちにとって、Abstinenceが重要なことはわかった。でも、将来、私に本気で好きな人ができて、もしその人がHIV陽性だったら、一体どうすればいいんですか」
という質問をされました。

大人数を対象とした授業で、年齢差、や体験、考え方に違いがある子供達を対象に授業をすることはやはり容易でないと思います。
でも、この質問をしてくれた生徒さんは、真剣に私の話を聞いてくれて、真剣に自分の将来を考えて、このような質問をしてくれたのかなーと思いました。
なので私も、この生徒さんに対して、考えられるあらゆる可能性と方法をお話しました。

教えるつもりがいつも教えられる。
だから楽しい!

今度はプロジェクト対象外地域に出向いて授業を展開していく予定です。